退職日は決まっているものの、「できればその日より早く辞めたい」「もう明日から出社したくない」と感じている人は少なくありません。転職先の入社日が迫っている、心身の負担が限界に近い、有給休暇を残したまま働き続ける意味が分からないなど、背景には現実的な事情があります。
一方で、退職日より前に辞めることに対して「ルール違反ではないか」「欠勤扱いになるのではないか」「トラブルにならないか」と不安を感じる人も多いはずです。実際、会社側の説明をそのまま信じてしまい、本来取れたはずの選択肢を自分から狭めてしまうケースも見受けられます。
ここでは、退職日より早く辞めたいと考えたとき、明日どう動くべきかを判断するための土台として、最初に押さえておくべきポイントをご紹介します。
退職日より早く辞めたいと考える人が最初に確認すべきルール

退職日を前倒しできるかどうかは、「会社が許すかどうか」だけで決まるものではありません。法律上の原則、就業規則の位置づけ、すでに行っている意思表示の内容などを整理することで、取れる行動の幅が見えてきます。
就業規則と退職日の基本的な考え方
多くの会社では、就業規則に「退職は〇カ月までに申し出ること」「退職日は会社が承認する」といった記載があります。そのため、「就業規則に書いてある以上、従うしかない」と思い込んでしまう人も少なくありません。
しかし、退職日は就業規則だけで一方的に決められるものではありません。退職は労働者の意思表示によって成立するのが原則であり、就業規則はその運用ルールを定めているにすぎません。会社の内部ルールと法律上の考え方は、必ずしも同じではない点を理解しておく必要があります。
退職日を前倒しできるかの判断基準
退職日より早く辞められるかどうかは、いくつかの要素を組み合わせて判断します。具体的には、すでに退職の意思表示をしているか、退職届を提出しているか、有給休暇が残っているか、欠勤や懲戒のリスクがどの程度あるかといった点です。
特に重要なのは、「退職日そのものを変更する必要があるのか」「退職日はそのままで、実質的な勤務最終日を早めたいのか」という視点です。この違いを整理することで、次に取るべき行動が大きく変わってきます。以降のセクションでは、この判断を前提に、具体的な理由や現実的な進め方を解説していきます。
退職日より前に辞めたい主な理由とよくあるケース

退職日より早く辞めたいと考える背景には、感情的な衝動ではなく、現実的な事情があることがほとんどです。実務上も、特定の理由が重なった結果として前倒しを検討するケースが多く見られます。ここでは、相談が多い代表的な理由を整理します。
転職先の入社日が早まった場合
最も多いのが、転職先から提示された入社日が想定より早く、現職の退職日まで待てないケースです。内定承諾後に「〇日から勤務開始できるか」と打診され、現職との日程が重なることで前倒しを検討せざるを得なくなります。
この状況では、退職日を変更できないと転職機会を失うリスクが生じます。そのため、退職日自体は維持しつつ、有給休暇の取得や勤務最終日の調整によって実質的に早く辞める方法を探る人が多くなります。判断を誤ると、現職と転職先の双方に影響が出るため、慎重な整理が必要です。
仕事や人間関係が限界になったケース
業務量の増加や人間関係の悪化により、退職日まで働き続けること自体が難しくなるケースも少なくありません。「あと数週間でも耐えられない」「出社することが強いストレスになっている」と感じ、早く辞めたいと考えるのは自然な流れです。
このような状態で無理に出社を続けると、体調不良や感情的な衝突につながる可能性があります。結果として、欠勤やトラブルに発展するよりも、早い段階で前倒しの選択肢を検討し、現実的な進め方を考えることが重要になります。
退職日を前倒しする具体的な進め方

退職日より早く辞めたい場合でも、進め方を誤ると不要なトラブルにつながります。感情的に動くのではなく、順序と伝え方を意識することで、前倒しの実現可能性は大きく変わります。
上司・人事への正しい伝え方と注意点
退職日を前倒ししたい場合は、まず直属の上司に対して冷静に事情を説明することが重要です。「もう働けない」と感情的に伝えるのではなく、転職先の入社日や体調面など、客観的な理由を簡潔に伝える方が受け入れられやすくなります。
また、人事部が関与する企業では、上司への相談後に人事とも正式に調整する流れが一般的です。就業規則を理由に一方的に否定されることもありますが、その場で反論せず、一度持ち帰って整理する姿勢がトラブル回避につながります。
退職届・退職願の提出タイミング
退職日を前倒しする場合でも、退職の意思表示は書面で行うことが基本です。まだ交渉段階であれば退職願、退職日を確定させる場合は退職届を提出します。
前倒しを希望する場合、退職届に記載する退職日は、法的に有効な日付を意識する必要があります。会社との合意がないまま極端に早い日付を記載すると、無用な対立を招くため、提出のタイミングと記載内容は慎重に判断することが大切です。
引き継ぎを短期間で終わらせる工夫
退職日を前倒ししたい場合、引き継ぎへの配慮は欠かせません。引き継ぎが全く行われていない状態では、会社側が前倒しを拒否する理由になりやすくなります。
業務内容を文書化し、最低限必要な情報を整理することで、短期間でも引き継ぎは可能です。業務フローや連絡先を簡潔にまとめて提示することで、会社側の不安を軽減し、前倒しの話し合いを進めやすくなります。
有給休暇を使って退職日より実質的に早く辞める方法

退職日そのものを前倒しできない場合でも、有給休暇を活用することで、実質的に早く会社を離れることは可能です。実務上はこの方法を選ぶ人が最も多く、会社との摩擦も比較的起きにくい進め方といえます。
有給休暇で退職日を調整できる仕組み
有給休暇は労働者の権利であり、退職前であっても取得することができます。例えば、退職日まで2週間残っていても、その期間すべてを有給休暇に充てれば、出社は不要となり、実質的には翌日から会社を離れることが可能です。
この場合、退職日は就業規則や合意した日付のままですが、業務からは完全に離れる形になります。転職先の入社日が迫っている場合や、精神的に出社が難しい場合でも、現実的な解決策として有効です。
有給消化を拒否された場合の対処法
会社から「忙しい」「引き継ぎが終わっていない」といった理由で有給消化を拒否されるケースもあります。しかし、法律上、有給休暇の取得を一方的に認めないことは原則としてできません。
それでも認められない場合は、書面やメールで有給取得の意思を明確に残すことが重要です。感情的に対立するのではなく、法的に認められた権利であることを前提に、冷静に対応することで不要なトラブルを避けやすくなります。
即日・1日以内で会社を辞めたい場合に注意すべき点

退職日よりもさらに早く、即日や1日以内で会社を辞めたいと考える人も少なくありません。心身の限界や切迫した事情がある場合、無理に出社を続けることが逆にリスクになることもあります。ただし、この段階では進め方を誤るとトラブルに発展しやすいため、注意が必要です。
即日退職が認められやすいケース
法律上、原則として退職は一定の期間をもって行うものとされていますが、例外的に即日退職が実務上認められやすいケースも存在します。代表的なのは、パワハラや長時間労働などにより心身の健康を著しく害している場合です。医師の診断書があると、やむを得ない事情として評価されやすくなります。
また、会社側が即日退職に同意している場合や、有給休暇をすべて充てることで実質的に即日離脱できる場合も含まれます。重要なのは、「感情的に飛び出す」のではなく、客観的に正当性を説明できる状況を整えることです。
無断欠勤やトラブルを避けるための注意点
最も避けるべきなのは、連絡をせずに出社しなくなる無断欠勤です。無断欠勤が続くと、懲戒処分やトラブルの原因になり、結果的に退職手続きが複雑化する可能性があります。
即日で辞めたい場合でも、退職の意思表示は必ず行う必要があります。電話やメール、書面など、証拠が残る形で意思を伝えることが重要です。会社との直接のやり取りが難しい場合は、退職代行や弁護士を通じて連絡を行うことで、不要な衝突を避けることができます。
退職代行を使って退職日より早く辞めるという選択肢

退職日より前に辞めたいと考えていても、上司や人事とのやり取りが精神的な負担になり、話し合い自体が進まないケースもあります。そのような場合に検討されるのが退職代行という選択肢です。状況によっては、早期離脱を現実的に進める手段になります。
退職代行サービスでできること・できないこと
退職代行サービスができるのは、本人に代わって退職の意思を会社に伝えることです。出社せずに退職手続きを進められる点は大きなメリットといえます。一方で、一般的な退職代行サービスは法的な交渉権限を持たないため、退職日の変更交渉や損害賠償への対応などは行えません。
会社から強い反発がある場合や、退職日を巡ってトラブルになりそうな場合には、対応範囲の限界を理解したうえで利用する必要があります。
最短で退職を進めたい場合の使い分け
とにかく早く会社を離れたい場合でも、状況に応じた使い分けが重要です。単に意思表示ができないだけであれば退職代行で足りるケースもありますが、退職日を前倒ししたい、有給休暇の扱いで揉めている、会社から圧力を受けているといった場合は、より慎重な対応が求められます。
早期退職を目指すほどトラブルのリスクは高まりやすいため、自分の状況がどの段階にあるのかを見極めたうえで、最適な手段を選ぶことが大切です。
退職日を前倒ししたことで起こりやすいトラブル

退職日より早く辞めること自体は可能ですが、進め方を誤ると会社との間でトラブルが生じやすくなります。特に、説明不足や手続きの不備があると、不要な不安や対立を招く原因になります。
損害賠償や請求を心配されるケース
退職日を前倒しすると、「会社に損害を与えたのではないか」「損害賠償を請求されるのでは」と不安に感じる人も多いです。しかし、通常の退職で損害賠償が認められるケースは限られており、単に早く辞めたという理由だけで請求が成立することは多くありません。
ただし、無断欠勤や引き継ぎ放棄などがあると、会社側が問題視する可能性は高まります。法的な整理が必要な状況では、自己判断で進めないことが重要です。
業務や引き継ぎを理由に揉めた事例
前倒し退職で最も多いのが、業務や引き継ぎを巡るトラブルです。「後任が決まっていない」「繁忙期だから困る」といった理由で強く引き止められるケースも少なくありません。
引き継ぎ内容を整理し、最低限の対応を示したうえで退職の意思を伝えることで、感情的な対立を避けやすくなります。それでも話し合いが進まない場合は、第三者の介入を検討する必要があります。
退職日より早く辞めたい場合は弁護士法人みやびに相談を

退職日を前倒ししたいものの、会社との関係悪化や法的リスクが不安な場合は、弁護士に相談することが有効です。弁護士法人みやびでは、退職日の調整や有給休暇の扱い、会社からの圧力への対応など、状況に応じた法的整理を行うことができます。
個人での対応が難しいと感じた時点で専門家に確認することで、不要なトラブルを避けながら、最短で安全な退職を目指すことができます。

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退職日より早く辞めたい人のよくある質問
退職日より前に辞めたいと考えたとき、法律面や会社対応について不安を感じる人は少なくありません。ここでは、実際に相談が多い質問を中心に、ポイントを簡潔に整理します。
退職日より前に辞めることは法律上可能ですか
原則として、退職は労働者の自由であり、法律上は一定の手続きを踏めば可能です。ただし、退職日をどのように確定させているかや、会社との合意状況によって進め方は変わります。
就業規則で決められた退職日より早く辞めても問題ありませんか
就業規則は会社内のルールですが、法律より優先されるわけではありません。就業規則に定めがあっても、法的に有効な退職の意思表示があれば、必ずしもその日付に拘束されるとは限りません。
有給休暇を使えば翌日から出社しなくてもいいですか
有給休暇は労働者の権利のため、退職前であっても取得できます。退職日までの期間をすべて有給休暇に充てれば、実質的に翌日から出社せずに退職日を迎えることが可能です。
即日で辞めた場合に損害賠償を請求される可能性はありますか
単に即日で辞めたという理由だけで損害賠償が認められるケースは多くありません。ただし、無断欠勤や業務放棄と評価される状況があると、会社側が問題視する可能性はあります。
上司や人事が退職日の前倒しを認めてくれません
退職の成立には会社の承諾は必須ではありません。話し合いが進まない場合でも、法的に有効な形で退職の意思を示すことで、手続きを進めることは可能です。
退職代行を使うと退職日は前倒しできますか
退職代行は退職の意思を伝える手段として有効ですが、退職日の前倒しや交渉が必要な場合には対応できる範囲に限界があります。状況によっては、弁護士に相談する方が安全なケースもあります。



