新卒で入社したものの、毎日のように怒られ、「会社へ行くのが怖い」「もう辞めたい」と感じている人は少なくありません。
もちろん、新卒は仕事に慣れておらず、注意や指導を受ける場面があります。ただ、人格否定をされる、大声で怒鳴られる、無視されるなど、行き過ぎた対応は「指導」ではなくパワハラに該当する可能性があります。
この記事では、新卒が毎日怒られる職場はどこからパワハラになるのか、辞めたいと感じた時に知っておきたい法的権利、退職代行を使う際の注意点について弁護士視点で解説します。
新卒の退職代行全体については、
「新卒で退職代行は使える?入社直後に辞める方法と注意点」でも解説しています。
【結論】
- 毎日怒鳴られる・人格否定される状態はパワハラになりうる
- 出社前の動悸や吐き気は心身が限界へ近づいているサイン
- 録音やメモなど証拠を残しておくことが重要
- 会社が認めなくても退職は法律上可能
- 自分で退職を言えない状態なら退職代行を使う方法もある
新卒が毎日怒られる職場は「指導」か「パワハラ」か

新卒は仕事に慣れていないため、注意や指導を受ける場面があります。そのため、「怒られるのは当たり前」「自分が悪いから仕方ない」と考えてしまう人も少なくありません。
ただ、すべてが正当な指導とは限りません。毎日のように怒鳴られる、人格を否定される、人前で執拗に叱責されるなど、行き過ぎた対応はパワハラに該当する可能性があります。また、新卒は社会経験が少ないため、「これが普通なのか」が分からず、限界まで我慢してしまうことがあります。
指導とパワハラを分ける法的な基準
会社には、業務上必要な指導を行う権限があります。そのため、ミスへの注意や業務改善指導自体は違法ではありません。一方で、業務上必要な範囲を超え、精神的苦痛を与える行為はパワハラになりえます。
厚生労働省は、優越的な立場を利用し、業務上必要かつ相当な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える行為をパワハラと定義しています。
人格否定・怒鳴り・無視は違法になりうる行為
例えば、「お前は社会人失格だ」「使えない」「辞めろ」と人格を否定する発言を繰り返す行為は、単なる指導とは言えません。また、大声で怒鳴る、人前で執拗に叱責する、長期間無視するなども、精神的攻撃として問題になることがあります。
もちろん、一度注意されたから即違法になるわけではありません。ただ、継続的に精神的苦痛を与えている状態なら注意が必要です。
新卒だからといって毎日怒られるのが当然ではない
会社側が「新卒だから厳しく育てているだけ」と説明することがあります。しかし、新卒であることを理由に、何をしても許されるわけではありません。教育の範囲を超えた精神的圧迫は、違法と判断される可能性があります。
また、怒られ続けることで出社できなくなったり、体調へ影響が出たりしているなら、「まだ新人だから」と無理を続けるべき状態ではありません。
新卒が毎日怒られ続けると心身に起きること

新卒で毎日怒られ続けると、精神面だけでなく身体にも影響が出ることがあります。最初は「自分が悪いから仕方ない」と耐えていても、強い緊張状態が続くことで、徐々に心身が限界へ近づいていきます。
また、新卒は「社会人とはこういうもの」と思い込みやすく、危険な状態でも無理を続けてしまうことがあります。
出社前の動悸・吐き気は身体のSOSサイン
朝になると動悸がする、会社最寄り駅へ近づくだけで吐き気が出る、眠れないなどの症状は、強いストレス状態で起きることがあります。また、休日でも仕事のことばかり考えてしまい、気持ちが休まらなくなることもあります。
こうした状態を放置すると、さらに体調が悪化し、出社自体が難しくなることがあります。「甘え」ではなく、心身が限界へ近づいているサインとして考えることが重要です。
萎縮してさらにミスが増える悪循環
毎日怒られ続けると、「また怒られるかもしれない」という恐怖が強くなり、常に緊張した状態で仕事をするようになります。その結果、確認不足や焦りからミスが増え、さらに怒られるという悪循環へ入りやすくなります。
また、自信を失うことで、自分から質問や相談ができなくなることもあります。精神的に追い込まれた状態では、本来の能力を発揮しづらくなります。
パワハラだと感じたら最初に取るべき行動

毎日怒鳴られる、人格を否定されるなど、「これはおかしい」と感じたなら、一人で抱え込まないことが重要です。また、感情だけで動くのではなく、後から状況を説明できるよう、冷静に記録や相談を進めることも大切です。
証拠の残し方(録音・日時記録・メール保存)
パワハラ問題では、後から状況を説明できる証拠が重要になります。例えば、怒鳴られた日時や内容をメモへ残す、LINEやメールを保存する、会話を録音するなどの方法があります。
また、「誰が・いつ・どこで・何を言ったか」を継続的に記録しておくと、後から状況を整理しやすくなります。
社内窓口や人事へ相談する
会社に相談窓口や人事部がある場合は、状況を相談する方法もあります。特に、直属の上司自身が問題行為をしている場合、別部署へ相談したことで状況が改善することがあります。
また、相談記録が残ることで、「会社へ正式に相談していた」という証拠にもなります。
労働局の総合労働相談コーナーを利用する
社内だけでは改善しない場合、外部相談窓口を利用する方法もあります。各都道府県の労働局には「総合労働相談コーナー」があり、パワハラや労働問題について無料相談できます。
「自分の状況が異常なのか分からない」という段階でも相談可能です。一人で抱え込み続けるより、第三者へ状況を話すことが重要です。
弁護士へ相談し法的対応を検討する
強い精神的苦痛が続いている場合や、会社側が改善しない場合は、弁護士へ相談する方法もあります。また、退職時に強い引き止めや損害賠償を示唆されるケースもあります。
法的観点から状況を整理することで、「本当に辞められるのか」「会社対応に問題があるのか」を冷静に確認しやすくなります。
新卒が毎日怒られて辞めたい時の法的な権利

毎日怒られ続けると、「辞めるのは甘えではないか」「会社が認めなければ辞められないのでは」と不安になることがあります。しかし、退職は法律で認められた権利です。会社側が強く引き止めたとしても、無期限に働き続けなければならないわけではありません。
また、精神的に限界へ近づいている状態なら、「まだ新卒だから」と無理を続けることが正しいとは限りません。
会社が認めなくても退職は法律上成立する
期間の定めがない正社員の場合、民法627条により、退職意思を伝えることで原則2週間後に退職できます。そのため、会社側が「認めない」「辞めさせない」と言っても、法律上ずっと拘束できるわけではありません。また、実際には有給休暇を使い、出社停止状態で退職日を迎えるケースもあります。
パワハラを理由にした退職は会社都合になりうる
パワハラや長時間労働など、会社側に問題がある場合は、自己都合ではなく「会社都合退職」と判断されることがあります。会社都合になると、失業給付で有利になる場合があります。
ただし、自動的に認められるわけではなく、ハローワーク側の判断や証拠確認が必要です。そのため、録音やメモなどの記録を残しておくことが重要になります。
新卒が毎日怒られる職場こそ退職代行が有効な理由

新卒で毎日怒られている状態では、「辞めたい」と思っていても、自分で退職を切り出せなくなることがあります。特に、怒鳴る上司がいる職場では、「退職を言ったらさらに責められるのでは」と強い恐怖を感じやすくなります。その結果、限界なのに退職できず、さらに精神的負担が大きくなることがあります。
本人が退職を告げると圧力や引き止めが起きやすい
毎日怒鳴るような上司の場合、退職を伝えた際にも強い引き止めや圧力をかけてくることがあります。例えば、「無責任だ」「社会人失格だ」などと責められ、さらに追い込まれるケースもあります。また、精神的に萎縮している状態では、強く言われると退職意思を撤回してしまうこともあります。
退職代行なら直接やり取りせず出社停止を進めやすい
退職代行を利用した場合、本人の代わりに会社へ退職意思を伝えてもらえます。そのため、上司へ直接連絡する精神的負担を減らしやすくなります。
また、状況によっては、即日で出社を止める流れになることもあります。毎日怒られる状態で限界へ近づいているなら、まず会社と距離を置くことが必要な段階もあります。ただし、交渉が必要となる場面が多いので、依頼するのであれば、退職代行を提供している弁護士法人にしましょう(民間業者の交渉は違法となります)。
未払い残業代請求など退職後の対応も視野に入れる
長時間労働による残業代の請求や給与請求、パワハラの慰謝料などが発生している場合も、弁護士の退職代行であれば対応が可能です。退職から請求まで一気通貫で諸問題を解決してくれるので、心強いです。
そのため、単に「辞める」だけでなく、退職後の対応まで視野へ入れることが重要です。会社との対立が強い場合は、最初から弁護士へ相談した方が安全です。
退職拒否や損害賠償を示唆された場合の法的な現実

新卒が退職を申し出た際、会社側から「辞めるのは認めない」「損害賠償を請求する」と強く言われ、不安になることがあります。特に、毎日怒鳴るような上司がいる職場では、強い言葉で退職を思いとどまらせようとするケースもあります。しかし、実際には会社側の発言だけで退職できなくなるわけではありません。
新卒の退職で損害賠償が認められるケースはほぼない
会社側が「急に辞めたら損害賠償だ」と言うことがあります。ただ、通常の退職だけで高額な損害賠償がそのまま認められるケースはほとんどありません。もちろん、故意に会社へ重大損害を与えた場合などは別問題です。しかし、「新卒が退職した」という理由だけで賠償責任が発生するわけではありません。そのため、会社側の言葉だけで過度に恐れる必要はありません。
退職拒否は法的に認められない
会社側が「辞めさせない」と言ったとしても、法律上ずっと働かせ続けることはできません。また、「人手不足だから辞めるな」「後任が決まるまで残れ」と言われることもありますが、それは会社の都合であって、そのような理由で従業員の退職を引き止めることはできません。
ただ、実際には強い引き止めで精神的に追い込まれることがあります。自分で対応するのが難しい状態なら、弁護士や退職代行へ相談する方法もあります。
まとめ|新卒で毎日怒られて限界なら環境を見直すことも重要
新卒は仕事に慣れていないため、指導や注意を受ける場面があります。ただ、毎日のように怒鳴られる、人格を否定される、出社前に動悸や吐き気が出る状態まで続いているなら、単なる指導ではなくパワハラの可能性もあります。
毎日怒られて限界を感じているなら、一人で抱え込まず、証拠保存や外部相談を進めることも重要です。自分で退職を言い出せない状態なら、弁護士提供の退職代行を利用する方法もあります。

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新卒で毎日怒られて辞めたい人によくある質問
新卒で毎日怒られ続けると、「自分が悪いのか」「辞めても大丈夫なのか」と強い不安を感じやすくなります。ここでは、よくある質問をまとめました。
新卒は毎日怒られるのが普通?
新卒は指導を受ける場面があります。ただ、毎日のように怒鳴られる、人格否定される、人前で執拗に叱責される状態は正常とは言えません。
毎日怒られるのはパワハラになる?
業務上必要な指導を超え、精神的苦痛を与えている場合はパワハラに該当する可能性があります。特に、人格否定や継続的な威圧行為は注意が必要です。
怒られてばかりで会社へ行きたくない時はどうする?
出社前に動悸や吐き気が出るなど、心身へ影響が出ているなら無理を続けすぎないことが重要です。一人で抱え込まず、外部相談や退職も含めて検討した方がいい段階もあります。
弁護士型と民間退職代行はどちらを選ぶべき?
会社と揉めそうな場合や、損害賠償・未払い残業代など法的問題不安がある場合は、弁護士提供の退職代行の方が対応範囲は広くなります。


