業務委託で仕事をしている中で、精神的・物理的な限界から「もう連絡せずに辞めたい」「いわゆるバックレしかないのでは」と悩む人は少なくありません。一方で、業務委託は雇用契約とは異なるため、無断で業務を放棄した場合に損害賠償を請求されるのではないかと不安を感じるケースも多いです。
本記事では、業務委託のバックレがどのようなリスクを伴うのか、損害賠償につながる可能性や現実的な対処法について弁護士が解説します。
感情的に行動してしまうと、不要なトラブルを招き、結果的に自分の立場を不利にしてしまうことがあります。業務委託という契約形態の特徴を正しく理解し、冷静に対応することが重要です。
【結論】
- 業務委託のバックレは、契約内容次第で損害賠償のリスクが生じる
- 不安だからといって安易に謝罪や支払いに応じるのは危険
- バックレ以外にも、契約を整理して終了させる方法はある
- トラブルが心配な場合は、退職代行や弁護士への相談が有効な選択肢になる
業務委託でバックレた場合に問題になりやすいポイント

業務委託は雇用契約ではないため、「合わなければ自由に辞められる」と考えてしまう人もいます。しかし、実際には契約に基づいて業務を行っている以上、無断で連絡を絶つ行為はトラブルに発展しやすいのが現実です。ここでは、業務委託でバックレた場合に特に問題になりやすいポイントを紹介します。
業務途中で連絡を絶つことのリスク
業務委託であっても、契約期間中や業務の途中で一切の連絡を断つと、発注者側は業務の継続や代替手配ができなくなります。その結果、納期遅延や取引先への影響が生じ、損害が発生したと主張される可能性があります。バックレた側に悪意がなかったとしても、「連絡を取れない状態を作った」という事実自体が問題視されやすく、トラブルの火種になりやすい点には注意が必要です。
業務委託は自己判断で辞められると誤解されやすい理由
業務委託は労働法の保護を受ける雇用契約とは異なるため、自由度が高い契約だと誤解されがちです。しかし実際には、契約書に業務内容や期間、解除条件が定められていることが多く、一方的な無断離脱が許されるとは限りません。「会社員ではないから問題にならない」と自己判断でバックレてしまうと、契約違反として責任を追及される可能性がある点は理解しておく必要があります。
業務委託のバックレが損害賠償につながるケース

業務委託でバックレた場合でも、すべてのケースで直ちに損害賠償が発生するわけではありません。ただし、契約内容や業務の性質によっては、実際に損害賠償を請求される可能性が高まる場面があります。ここでは、特に問題になりやすい代表的なケースを解説します。
契約内容や業務範囲が明確に定められている場合
業務委託契約書に、業務内容や納期、報酬、解除条件などが具体的に定められている場合、無断で業務を放棄すると契約違反と評価されやすくなります。特に、納期や成果物が明確な案件では、業務が途中で止まったことによる損害を算定しやすく、発注者側が損害賠償を主張する根拠になりやすい傾向があります。契約書の内容を把握せずにバックレてしまうと、後から不利な立場に置かれる可能性があります。
第三者や取引先に影響が及んだ場合
業務委託のバックレによって、発注者だけでなく、その先の取引先や顧客にまで影響が及んだ場合、問題はより深刻化しやすくなります。例えば、プロジェクト全体の遅延や、取引先への損害が発生した場合、その責任の一部を業務委託者に求められる可能性があります。影響範囲が広がるほど、損害額の主張も大きくなりやすいため、注意が必要です。
業務委託でバックレた後に損害賠償を請求される流れ

業務委託でバックレた場合、突然高額な損害賠償を請求されるイメージを持つ人も多いですが、実際には一定の流れを経て請求に至ることが一般的です。どのような段階で問題が深刻化しやすいのかを理解しておくことで、冷静な対応が取りやすくなります。
請求が発生するまでの一般的な経緯
多くの場合、最初は発注者から業務再開や状況確認の連絡が入ります。それに対して無視や未対応が続くと、「契約違反」「損害が発生している」といった指摘がなされるようになります。その後、内容証明郵便やメールなどで正式な請求が届き、損害賠償の話が具体化する流れが一般的です。初期段階で適切に対応できていれば、請求に発展しなかったケースも少なくありません。
請求額が大きくなりやすいパターン
請求額が大きくなりやすいのは、業務の重要度が高い案件や、代替要員の確保に高額なコストがかかった場合です。また、連絡を断った期間が長いほど、発注者側の不満や主張が強まり、請求内容が膨らむ傾向があります。感情的な対立が深まると、冷静な話し合いが難しくなるため、早い段階で専門家に相談することが重要です。
バックレして損害賠償を請求されるのが不安な人の対処法

業務委託でバックレてしまった後、「このまま放置すると損害賠償を請求されるのではないか」「今から何をすればいいのか分からない」と強い不安を感じる人は少なくありません。しかし、不安から誤った対応を取ってしまうと、状況をさらに悪化させてしまう可能性があります。ここでは、冷静に取るべき対処法を解説します。
安易に支払いや謝罪に応じない方がよい理由
発注者から損害賠償を示唆する連絡が来ると、早く解決したい一心で謝罪や支払いに応じてしまいがちです。しかし、請求内容や金額が法的に妥当かどうかは別問題です。十分な根拠がないまま謝罪したり、責任を全面的に認める発言をしてしまうと、後から不利な立場に置かれる可能性があります。まずは感情的に対応せず、事実関係と契約内容を整理することが重要です。
退職代行や弁護士に相談する
自分で発注者とやり取りすることが精神的に難しい場合や、損害賠償の話が出ている場合は、第三者に対応を任せることも有効な選択肢です。退職代行や弁護士に相談することで、直接の連絡を避けつつ、契約関係や責任の範囲を整理できます。特に法的なトラブルが懸念される場合は、早めに弁護士の判断を仰ぐことで、リスクを最小限に抑えやすくなります。
業務委託でバックレた後に損害賠償が問題になった事例

業務委託でバックレてしまった後、実際にどのような経緯で損害賠償の話が持ち上がるのかは、多くの人が気になるポイントです。ここでは、よく見られる典型的な事例をもとに、どの場面で状況が悪化しやすいのかを解説します。
連絡を断ったことで高額請求を受けた事例
システム開発の業務委託を受けていたAさんは、業務量の増加に耐えられず、発注者からの連絡を無視するようになりました。その結果、プロジェクトが停止し、代替要員の手配費用や遅延による損害を理由に高額な請求を受けることになりました。Aさん自身は悪意がなかったものの、連絡を断ったこと自体が問題視され、話が大きくなったケースです。
契約内容の認識違いからトラブルになった事例
デザイン業務を請け負っていたBさんは、「途中で辞めても問題ない契約だ」と考えて業務を中断しました。しかし、実際の契約書には業務完了までの責任や解除条件が明記されており、それを根拠に損害賠償を主張されました。契約内容を十分に確認していなかったことが、トラブルに発展した要因となった事例です。
感情的な対応が不利に働いた事例
営業支援の業務委託をしていたCさんは、バックレ後に強い口調の連絡を受け、焦って感情的な謝罪をしてしまいました。その際に「自分の責任で迷惑をかけた」と発言したことが、後の損害賠償請求の根拠として使われてしまいました。初動で冷静さを欠いた対応を取ったことで、交渉が不利に進んでしまった事例です。
業務委託のバックレや損害賠償に悩んだら弁護士法人みやびへ

業務委託でバックレてしまい、損害賠償を請求されるのではないかと不安を感じている場合、自分一人で対応しようとすると状況を悪化させてしまうことがあります。契約関係や責任の範囲はケースごとに異なり、表面的な情報だけで判断するのは危険です。法的な整理と代理対応ができる専門家に相談することで、冷静に状況を立て直すことが可能になります。
法的整理と代理対応でリスクを抑えられる理由
弊所弁護士法人みやびに相談することで、まず業務委託契約の内容や実際の業務状況を踏まえ、損害賠償が成立する可能性があるのかを法的に整理できます。その上で、発注者との連絡や交渉を代理で行ってもらえるため、直接のやり取りによる精神的負担や不用意な発言によるリスクを避けやすくなります。早い段階で弁護士が介入することで、問題が大きくなる前に収束させられる可能性が高まります。

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業務委託のバックレと損害賠償に関するよくある質問
業務委託でバックレてしまった場合や、これから起こり得るトラブルについて、多くの人が共通して抱きやすい疑問をまとめました。損害賠償の可能性や、取るべき対応を整理する参考にしてください。
業務委託でバックレると必ず損害賠償を請求されますか
必ず請求されるわけではありません。損害賠償が成立するかどうかは、契約内容や業務状況、実際に発生した損害の有無によって判断されます。
バックレた後に連絡が来た場合は無視しても大丈夫ですか
無視を続けると、トラブルが深刻化する可能性があります。感情的に対応するのではなく、内容を整理した上で専門家に相談することが重要です。
口頭契約でも損害賠償を請求されることはありますか
口頭契約であっても、契約内容が合意されていたと認められる場合は、請求の対象になる可能性があります。契約の成立状況を個別に確認する必要があります。
謝罪しただけで損害賠償の責任を認めたことになりますか
謝罪の内容や文言によっては、不利に解釈される可能性があります。安易な謝罪や責任を認める発言は避けた方が無難です。
業務委託のバックレについて弁護士に相談するタイミングはいつですか
不安を感じた時点で早めに相談するのが望ましいです。請求を受ける前でも、事前に状況を整理しておくことでリスクを抑えやすくなります。



