派遣社員として働いていると、どうしても職場環境や業務内容が合わず、契約途中で辞めたいと考えることがあります。しかし実際には「契約途中だから辞められない」と派遣会社や派遣先から強く引き止められ、退職できない状況に悩む方が少なくありません。
本記事では、派遣を契約途中で辞めさせてくれない理由と、円満に退職するための解決法を解説。
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派遣契約途中で辞めさせてくれない理由と派遣会社の事情

派遣社員が契約途中で退職を希望しても、派遣会社や派遣先がすぐに了承しないのには理由があります。そこには派遣会社の経営事情や営業担当者の立場、さらには派遣業界特有の問題が隠れています。派遣社員をトラブルなくスムーズに退職するためにも、まずは派遣会社(派遣元)の考えを知ることが重要です。
派遣会社の売上への影響と営業担当者の立場
派遣会社の収益は、派遣先企業から受け取る派遣料金によって成り立っています。契約途中で派遣社員が辞めると、その分の売上が減少し、営業担当者の評価やノルマ達成にも影響します。そのため担当者は、できる限り契約期間を全うしてもらうように強く引き止める傾向があり、派遣社員から見ると「辞めさせてくれない」という圧力に感じられるのです。
派遣先企業との信頼関係維持の重要性
派遣先企業にとって、派遣社員が契約途中で退職するのは大きな迷惑です。そのため派遣会社は「途中退職者を出さないこと」が信頼維持の条件となっています。派遣先の信頼を失えば、今後の契約継続に影響するため、派遣会社は必死に退職を止めようとするのです。
代替人材確保の困難さと採用コスト
派遣社員が突然辞めると、派遣会社はすぐに代わりの人材を探さなければなりません。しかし短期間で条件に合う人材を確保するのは容易ではなく、採用コストや教育コストもかかります。この負担を避けたいがために、派遣会社は「今すぐ辞めるのは困る」と伝えるのです。
契約違反による損害賠償リスクの懸念
派遣契約は法的に有効な契約であるため、派遣社員が一方的に契約途中で辞めてしまうと「契約違反」とみなされる可能性があります。その結果、派遣先企業から派遣会社に対して損害賠償請求が行われるリスクがあり、派遣会社はそれを極度に恐れています。特に大手企業との取引では契約条件が厳格で、途中退職による違約金や損害補填が発生することもあり得ます。そのため派遣会社は「辞めさせてくれない」という姿勢を強めるのです。
派遣業界での評判悪化への不安
派遣社員が契約途中で退職することは、業界内での派遣会社の評判にも直結します。途中退職が多発すると「この派遣会社は管理が甘い」と派遣先企業に見なされ、新規契約の獲得が難しくなるリスクがあります。業界内での信頼を失えば事業継続にも関わるため、派遣会社は社員を引き止めてでも契約期間を守らせようとするのです。こうした事情が、派遣社員にとって「辞めさせてもらえない」状況を生み出しています。
営業ノルマ達成への影響と担当者の保身
派遣会社の営業担当者には、派遣人数や契約継続率といった具体的なノルマが課されています。派遣社員が契約途中で辞めてしまうと、担当者の評価やボーナスに直結するため、なんとか退職を阻止しようと強く引き止めに出るのです。時には「辞めたら今後の紹介が難しくなる」といった脅しに近い言葉を使われるケースもあります。これは担当者個人の保身による部分も大きく、派遣社員が精神的に追い込まれる原因となっています。
派遣社員が契約途中で退職したい理由と注意点

派遣社員が「契約途中でも辞めたい」と感じるのには、さまざまな背景があります。業務上の不満や職場の人間関係だけでなく、家庭の事情や健康問題といった個人的な要因も少なくありません。ただし、退職理由によっては派遣会社や派遣先とのやり取りが複雑化するため、注意すべきポイントもあります。ここでは、派遣社員が契約途中で退職を希望する主な理由と、その際に押さえておくべき注意点を解説します。
職場での人間関係トラブルと業務不満の実態
派遣先での人間関係トラブルは、契約途中の退職理由として非常に多いケースです。上司や同僚からのパワハラ、孤立感、過度な業務負担などが積み重なり、精神的なストレスから退職を決意することがあります。また、求人票に記載された業務内容と実際の仕事内容が大きく異なると「聞いていた話と違う」と不満を抱え、契約途中で辞めたい気持ちにつながることも少なくありません。こうした場合は、感情的に辞めるのではなく、まずは派遣会社へ具体的な状況を相談することが重要です。
家庭事情による急な退職の対処法
家族の介護や子育て、配偶者の転勤といった家庭事情によって、やむを得ず契約途中で辞めざるを得ないケースもあります。このような理由は本人の責任ではないため、派遣会社も比較的理解を示しやすい傾向にあります。ただし「急に来週から行けません」といった伝え方はトラブルにつながる可能性があるため、できる限り早めに事情を説明し、引き継ぎの猶予を設けることが大切です。誠意ある対応をすることで、退職がスムーズに進みやすくなります。
派遣契約途中でも退職できる法的根拠と手続き

「契約途中だから辞められない」と派遣会社に言われても、法律上は退職する自由が認められています。ただし、派遣契約には有期雇用という特殊性があるため、適用されるルールが異なる場合があります。ここでは、民法に基づく退職の原則や派遣契約書における規定の有効性、さらに有期雇用の派遣社員に該当する場合の対処法について整理して解説します。
民法627条による退職の自由と2週間前告知の原則
民法627条では、期間の定めのない雇用契約において「いつでも退職できる」と定められています。退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば契約は終了し、会社の承諾は不要です。したがって派遣社員であっても、無期雇用契約の場合はこの規定が適用され、派遣会社が「辞めさせてくれない」と言っても法的には退職が可能です。実際には2週間程度の余裕をもって退職届を提出することが望ましいでしょう。
派遣契約書に記載された退職規定の有効性
派遣契約書には「契約途中の退職はできない」や「途中退職には違約金が発生する」といった文言が記載されていることがあります。しかし労働者の退職の自由は法律で保障されており、これらの規定は労働契約法や民法の趣旨に反するため、必ずしも有効とは限りません。万一、違約金や損害賠償を請求された場合でも、法的に認められないケースが大半です。安易に従うのではなく、専門家へ相談することが重要です。
有期雇用の派遣社員に民法627条が適用されないときの対処法
派遣社員の多くは「3か月契約」や「6か月契約」といった有期雇用契約に該当します。有期契約の場合、民法627条の「2週間前の告知で退職できる」という原則がそのまま適用されないことがあります。ただし、民法628条では「やむを得ない事由がある場合にはただちに契約解除できる」と定められています。たとえば健康悪化や家庭の事情といった正当な理由があれば、契約途中でも退職が認められる可能性が高いです。ただし、ここでいうやむを得ない事由の具体的内容に関しては明記されていないため、弁護士に依頼して会社に合理的な説明をする必要があります。
派遣会社に辞めさせてもらえない時の具体的解決法

派遣会社から強く引き止められて「辞めさせてもらえない」と感じるときでも、正しい手順を踏めば退職は可能です。重要なのは感情的にならず、冷静かつ計画的に退職の意思を伝えることです。ここでは、派遣会社や派遣先への伝え方、引き止められた場合の対処方法を具体的に紹介します。
派遣会社から引き止められた場合の対処ステップ
派遣会社から「契約途中だから辞められない」「派遣先に迷惑がかかる」と言われても、冷静に行動することで退職は可能です。以下の手順を踏むとスムーズに進めやすくなります。
1.まずは冷静に「法律上は退職の自由が認められています」と伝える
2.繰り返し引き止められても「一身上の都合により契約を継続できません」と一貫して答える。また、理由が必要なときは、「病気・帰省・介護」などやむを得ない事由に該当する返答を考えておく。
3.それでも辞めさせてもらえない場合は、退職届を内容証明郵便で送付して法的効力を確保する
4.派遣会社がなおも対応しなかったり、違約金や賠償請求をにおわせてきた場合は、労働基準監督署や弁護士に相談して解決を図る
このように、感情的にならず段階を踏むことで、派遣会社の強い引き止めにも適切に対応できます。
退職代行・弁護士や労働相談窓口など無料相談先一覧

派遣契約途中で辞めさせてもらえない場合、自分だけで解決しようとすると精神的にも大きな負担となります。そのため、専門の相談窓口を利用することが有効です。労働基準監督署や弁護士など、無料で相談できる窓口を活用することで、正しい知識と手続きをもとに安全に退職を進められます。ここでは代表的な相談先を紹介します。
労働基準監督署への相談手続きと必要書類
労働基準監督署は、労働者の権利を守るために設置された行政機関です。派遣会社が不当に退職を拒んでいる場合や、違約金を請求されそうなときには相談が可能です。相談の際は、派遣契約書、就業条件明示書、派遣会社とのやり取りが分かるメールや書面を持参するとスムーズです。監督署の職員が法的な観点からアドバイスをしてくれるため、派遣会社に対しても強い抑止力になります。ただし、労働基準監督署ができるのはあくまでも会社への是正措置となるので、個人の問題や紛争を解決してくれることはありません。
弁護士法人みやびの無料相談サービス
退職代行に豊富な実績を持つ弁護士法人みやびでは、派遣社員を含む幅広いケースに対応した無料相談を行っています。弁護士が直接対応するため、民間業者では扱えない「損害賠償請求への対応」や「有期契約中の退職手続き」なども安心してお任せいただけます。また、電話やメールで相談できるため、時間や場所に縛られず気軽に利用できる点も魅力です。派遣を契約途中で辞めさせてもらえないと悩んでいる方にとって、心強い相談先となるでしょう。
派遣を契約途中で辞めさせてくれないときは退職代行も有効

派遣会社や派遣先に何度も退職の意思を伝えても「辞めさせてくれない」と強く引き止められる場合、自力での解決が難しいこともあります。そんなときは退職代行を利用するのも有効な手段です。弁護士が対応する退職代行であれば、法的なトラブルにも備えながら安全に退職を進められます。ここでは、弁護士と民間業者による退職代行の違いについて解説します。
弁護士と民間(一般企業)業者の退職代行のリスクの違い
退職代行には大きく分けて「弁護士による退職代行」と「民間業者による退職代行」の2種類があります。
- 弁護士による退職代行は、退職の意思表示に加えて損害賠償請求や未払い賃金請求といった法的交渉も可能です。そのため、派遣のような有期契約途中での退職や違約金請求の懸念があるケースでも安心です。
- 一方で、民間業者の退職代行はあくまで「退職意思を伝える」までのサポートにとどまり、法的交渉はできません。もし派遣会社から損害賠償請求を示唆された場合、対応できないリスクがあります。
派遣を契約途中で辞める際にはトラブルに発展するケースが多いため、信頼できる弁護士による退職代行を利用することが望ましいでしょう。
まとめ:派遣を契約途中で辞めさせてくれない場合は弁護士法人みやびに相談

派遣社員が契約途中で退職を希望しても、派遣会社や派遣先の事情から「辞めさせてくれない」と引き止められるケースは少なくありません。しかし法律上は退職の自由が認められており、正しい手続きを踏めば途中退職も可能です。
自分だけで対応が難しいと感じるときは、労働基準監督署や弁護士などの専門窓口に相談することで、トラブルを避けつつ安心して解決できます。弊所弁護士法人みやびは、派遣社員の退職代行にも豊富な実績を持ち、損害賠償や有期契約中の対応といった複雑な問題にも直接対処できます。
派遣を契約途中で辞めさせてもらえず困っている方は、一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

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派遣の契約途中で本当に辞められるの?よくある質問を紹介
派遣契約の途中でも辞められるのか不安に感じている方のために、よくある疑問とその答えをまとめました。法律上のポイントや、派遣会社・派遣先への伝え方、トラブルになりやすいケースの対処法など、実際に悩んでいる方が知っておきたい情報を丁寧に解説しています。
契約期間中に辞めると損害賠償されますか?
法律上、退職の自由は労働者に認められているため、原則として損害賠償は発生しません。ただし、重大な業務妨害があった場合などは例外となる可能性があるため、トラブルを避けるには弁護士への相談が安心です。
退職を申し出るのは何日前がベストですか?
民法では2週間前の告知で退職できるとされていますが、引き継ぎや業務の都合を考慮して、できれば3週間~1か月前に伝えるのが理想です。やむを得ない事情がある場合は、もっと短くても認められることがあります。
「辞めさせない」と言われたらどうすれば?
「辞めさせない」と言われても、法的には退職できます。まずは退職届を内容証明郵便で送付し、証拠を残しましょう。それでも対応がない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談を。
有期雇用でも辞めることは可能ですか?
可能です。有期契約の場合でも「やむを得ない事由」があれば途中解約が認められます。健康問題、家庭の事情、パワハラなどがこれに該当することが多く、具体的な理由をきちんと伝えることが大切です。
契約書に「途中退職禁止」と書かれているけど大丈夫?
契約書にそのような記載があっても、労働者の退職の自由を制限する条項は無効となる可能性が高いです。違約金請求などがあった場合も、弁護士を通じて対処すれば不当請求を退けられるケースが大半です。ただし、派遣会社の請求理由が合理的と判断された場合は、法的に損害賠償の支払い義務を負う可能性もあります。
派遣先にも退職の連絡をすべきですか?
原則として派遣社員は派遣会社との契約関係にあるため、退職の意思は派遣会社へ伝えるだけで問題ありません。ただし、引き継ぎの都合などから派遣先にも最終日に挨拶程度の報告をすることは望ましいとされています。
退職代行は本当に使って大丈夫?
はい。弁護士による退職代行であれば、損害賠償や契約途中のトラブルにも法的に対応できるため安心です。民間業者は法的交渉ができない点に注意が必要です。
辞めたあとの再就職に悪影響はありますか?
契約途中の退職であっても、正当な理由があれば再就職に大きな悪影響を与えることはありません。むしろ、無理して働き続けることで健康を損なう方が将来的なキャリアに悪影響となる可能性があります。